レム睡眠行動障害と思われる症状が出てきたら、まず初めに、病院で「睡眠ポリグラフィー検査」を受けます。
睡眠ポリグラフィー検査は、病院に宿泊して、睡眠時のあごの筋電図、脳波、眼球運動などを測定する検査です。
レム睡眠行動障害の患者は、レム睡眠時にあごの筋肉運動が増加することが知られています。
睡眠ポリグラフィー検査では、睡眠時の行動を録画し、異常行動や寝言などがあるかどうかを医師が確認します。
睡眠ポリグラフィー検査の結果、レム睡眠行動障害であると診断されると、まずクロナゼパムという抗てんかん剤が処方されます。
クロナゼパムを睡眠前に服用すると、約1週間で約8割のレム睡眠行動障害患者に症状の改善が見られます。
しかし、クロナゼパムには筋弛緩作用があるため、ふらついたり、転倒したりすることがあります。
また、睡眠時無呼吸症を同時に患っている場合、クロナゼパムがその症状を悪化させる恐れがあるので、医師の指示に従って服用しなければなりません。
クロナゼパムによる症状の改善が見られない場合は、通常、不眠治療に使われるメラトニンというホルモン剤が処方されます。
メラトニンは睡眠の質に影響を与えず、高齢者でも安心して使用できる薬です。アメリカにおける臨床結果では、高い効果が認められています。
クロナゼパムやメラトニンなどによる投薬治療は、レム睡眠行動障害の完治を目的とするものではなく、症状の改善を目的とするものです。
レム睡眠行動障害を完治させるためには、専門医の指導に従って長期的に治療に取り組む必要があります。
レム睡眠行動障害の疑いがある方が睡眠外来を訪れる際には、かかりつけの医師の紹介状が必要な場合が多いので、来院前に確認するようにしましょう。